桝一市村酒造場

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ゆらいでゆらいでゆらぐ酒

ゆらいでゆらいでゆらぐ酒

辛口、やや甘口、やや辛口、と年ごとに味わいのゆらぐ酒があります。毎年4月からGW頃まで出荷する「はなしぼり」という銘柄です。名前の由来は「はなっから」の「はな」、つまり「初めの」を意味する言葉から。焼酎の世界では蒸留初めに出る酒をあらわす初垂れ(はなたれ)なんて言葉がありますが、いつしかビール界でも一番に搾った云々と喧伝されこれが流行、日本酒でもあるがや、と社長の市村が思い付いたのが発端です。

春、もろみを搾ったとき最初に滴り出る新酒。これを銘柄ごとに集めて杜氏の市川が調合、一升2,400円前後でお届けします。前後というのは出来高制で、社長がうまい!と言えば良い値に、まあ飲みやすいよねえ、なんて言えばちょうどいい値になるのです。けれども正味、そんな明朗に行くかというと杜氏は当然、絶妙な味わいを探求するものの、社長とて一口に太鼓判を押すのも何か癪だなーと思うわけで。熾烈な心理戦が繰り広げられているとか、いないとか。

とはいえ基準は存在しており、大吟醸酒である碧漪軒、鴻山の配合量がそのひとつです。そこにスクウェア・ワンや白金などそのとき多く搾れた酒を合わせており、最近では古酒を混ぜた年もありました。わっ違うね、となるかどうかは飲んでみてのお楽しみにしておきたいのですが、なんであれ桝一の酒はすべて純米酒なので品質はお墨付き。もしも時期が合えば、何かのご縁だと思って今年の味を確かめてみていただけたら幸いです。