桝一市村酒造場

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はじめての木桶復活

はじめての木桶復活

今さら木桶?と思うでしょうか。といった我々もはじめそうでした。木桶?いやいやないない、と。かつて仕込みといえば木桶。酒屋で何十年、それから味噌屋で75年〜150年、最後は醤油屋へと1つの桶が使い回されて、我々も酒の桝一、味噌・醤油の桝二なんて桝兄弟でやっていたものです。が、戦後にホーローやステンレスのタンクが現れ、温度管理が楽なもんだから瞬く間に大人気。いつしか木桶は絶滅の危機、ってな流れになりました。

ところが1990年代のある日、ある人が蔵の奥から木桶の写真を発見。こりゃ復活だと社長に直訴、「いや無理だ」「やるべきだ」の応酬の挙句、新桶を探して県内を駆けずり回り、とはいえそうそう見つからない。そこへ見かねた当時の大杜氏、遠山隆吉が「新潟の新井に職人がいたっけなあ」と助け舟。聞けば当時、全国で4〜5人しかいない桶職人の1人で、「もう引退だ」「そこを何とか」を何度も繰り返し、酒蔵では数十年ぶりとなる木桶仕込み復活へと漕ぎ着けたのです。

なんでそこまでして木桶、って質問はごもっともというか、とにかく色々七面倒なので我々も内心同じ気持ちですが、やっぱり味は違います。木は絶えず呼吸するから酒が熟成されやすく、複雑なコクとまろやかさが出る。年ごとの気候や微生物の働き具合によって毎回出来が変わるのですが、それもまた醍醐味というか、洋酒でいうヴィンテージみたいな面白さがあると思いませんか。とか何とか言いながら、本当はただ絶やしたくないだけなのかもしれません。

白金

白金 ロゴ

HAKKIN

創業期の看板銘柄を現代に蘇らせました。
木桶を使い昔ながらの山廃仕込みで醸造。
年ごとに味わいがゆらぐ自然の賜物です。

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